ドメーヌ・ロッシュ・オードラン  自然なバランス

ロシェット家はブドウ栽培を生業として4世代続いてきたが、ヴァンサン・ロシェットは自分が育てたブドウを組合に納めるのではなく、ボトルワインを生産して畑の持つポテンシャルを確かめたいという思いから1998年27歳のときにドメーヌ・ロッシュ・オードランを設立する。代々継がれてきた伝統と畑と自然を尊重し、彼は2000年以降ブドウ栽培をオーガニック農法で行ってきた。そして2007年には、土地を守るため、バランスよく表現力豊かでかつナチュラルなワインを生産するためビオディナミ農法に転向する。
足は地につけ、頭は天空へ向け、ヴァンサンはブドウ栽培からカーブ内の作業をビオディナミの考えに則って行っている。天体リズムに基づいて作られるカレンダーに従い、ビオディナミで唱えるエネルギーの法則を取り入れ、畑の土とブドウに新たなエネルギーがもたらされ、自然により近いワインが生産される。
《私達は、ブドウとワインの自然なサイクルに手を加えることを出来るだけ減らそうとしています。自然環境を尊重し、ブドウ畑は定期的に耕運を行い、合成物質ではなく自然界に存在する物質のみを使用して調剤を作り、畑にそれを散布します。するとブドウ畑のみでなくワインの中にも自然に整ったバランスが感じられるのです。丁寧な作業の賜物であるミネラル感はカーブとワインにエネルギーバランスをもたらします。》
《ビオディナミの考えをもって作業に取り組む私達の目的は、ブドウと土壌に、より活性力をつけることです。ブドウはその実を十分に熟させるのに土壌のみならず宇宙のエネルギーをも必要とします。活性化(ディナミゼ)された調剤(ティザンヌ)を散布することはブドウにコスモエネルギーを散布することでもあり、その結果、土壌は豊かになり、ブドウの成長を助け、病気に対しても強くなります。また牛角とシリカによるディナミゼーションは光合成の働きを助長し、タンニンとアロマ、アルコールのバランスも整えてくれます。ビオディナミはワインに土壌の豊かさと表現力あふれる果実味をもたらしてくれます。ヴィンテージの特徴は毎年異なりますが、私達はフルーティさとなめらかさ、グルマンさ、そしてエレガントさを表現できるように努力しています。》